■漢字

【二文字】

 

圓機 円機(えんき) 円満で、こだわりのないこと。 竹窓随筆
平穩  平穏(へいおん) おだやかで、やすらか。 杜甫
洗然 洗然(せんぜん) 洗い落としたように、すっきりしたさま。 梅尭臣
深靚 深靚(しんせい) 奥深く、閑静なこと。 欧陽脩
深靜 深静(しんせい) 極めて静かなこと。 李琚
深長 深長(しんちょう) 奥深く遠い。 漢書

 

 

【三文字】

歸素一  素一(そいち)に帰(き)す 素朴さに帰る。 江淹
游於藝  芸(げい)に游(あそ)ぶ 学問、芸術を学ぶ。 礼記
留餘響  余響(よきょう)を留(とど)む  余韻が残っている。 朱熹
蟻潰隄   蟻(あり)隄(つつみ)を潰(ついや)す 蟻が堤防をくずす。ささいなことをおこたると、大事にいたること。 韓非子
隨處樂  随処(ずいしょ)に楽(たの)しむ いたるところで楽しむ。 陸游
     

 

【四文字】

 

君子不器   君子(くんし)は器(うつわ)にあらず 徳行のある人は、一材一芸に通じるだけではない。
坐井觀天 井(せい)に坐(ざ)して天(てん)を觀(み)る 井戸の中から天を見る。見聞の狭いたとえ。
寧折不彎 寧(むし)ろ折(お)るるとも彎(まが)らず たとえ折れても、曲がらない。
尋水望山 水(みず)を尋(たず)ね山(やま)を望(のぞ)む 山水のよき景色を愛するに言う。
明鏡止水 めいきょうしすい 明らかな鏡と、静かな水。心の明らかなたとえ。
未測深淺 未(いま)だ深浅(しんせん)を測(はか)らず まだ深いか、浅いかがわからない。人の資質に言う。
樹陰讀書 じゅいんどくしょ 夏の木陰で、読書すること。消夏の一策。
氣貫長虹 気(き)は長虹(ちょうこう)を貫(つらぬ)く 意気は、長大な虹を貫くようである。
羣輕折軸 群軽(ぐんけい)軸(じく)を折(お)る 軽いものでも、多くのせれば軸を折る。微力なものでも、力を合わせれば大きな力となる。
膽大心小 たんだいしんしょう 度量が大きく、しかも細心の注意をはらう。
視于無形 無形(むけい)に視(み)る 形のないものから、その真を知る。
轉禍爲福 禍(わざわ)い転(てん)じて福(ふく)と為(な)す 禍いを、転じて福とする。
長樂無極 長楽(ちょうらく)極(きわ)まり無(な)し 楽しみが、いつまでもつきない。
顧言而行 言(げん)を顧(かえり)みて行(おこ)なう 己のことばを顧みて、ことばに違わず実行する。
飛龍乘雲 飛竜(ひりゅう)雲(くも)に乗(の)る 竜が、雲に乗って天にのぼる。時に乗じて勢いをうるたとえ。



【五文字】

一酌散千愁   一酌(いっしゃく)千愁(せんしゅう)を散(ち)らす わずかな酒でも、多くの愁いを消すことができる。 杜甫
中道逢嘉友 中道(ちゅうどう)嘉友(かゆう)に逢(あ)う 中道を行けば、よき友に出逢う。 陶潜
人生都是夢 じんせいすべてこれゆめ 人生は、夢のようにはかないものである。 白居易
其中有至樂 其(そ)の中(なか)に至楽(しらく)有(あ)り この楽しみにかなうものがない。 蘇軾
勇者不避難 勇者(ゆうしゃ)は難(なん)を避(さ)けず 勇気のある人は、難事を避けない。 孔子家語
同歸而殊塗 帰(き)を同(おな)じくして塗(みち)を殊(こと)にする 帰する所は同じであるが、行くまでの方法が異なる。 漢書芸文志
吾思也質素 吾(わ)が思(おも)うは質素(しっそ)なり 理想とするところは、飾らないところである。 説苑
味淡有眞樂 味(あじわ)い淡(たん)に真楽(しんらく)有(あ)り おもむき淡泊にして、はじめて真の楽しみがある。 道粲
善結無繩約 善結(ぜんけつ)に縄約(じょうやく)無(な)し 十分に結ばれたものを言う。契約によらず、堅く心の結ばれることを言う。 老子
執一而應萬 一(いち)を執(と)りて万(ばん)に応(おう)ず 一つに精通し、万に適応する。 呂覧
孤鶴凌高天 孤鶴(こかく)高天(こうてん)を凌(しの)ぐ 一羽の鶴が、天に舞い上がる。すぐれた人が行動を起こすことにも言う。 戴聖芳
寒雪梅中盡 寒雪(かんせつ)梅中(ばいちゅう)に尽(つ)く つめたい雪が、梅の花の中でなくなる。 李白
年命如朝露 年命(ねんめい)は朝露(ちょうろ)の如(ごと)し 人の命は、朝露のようにはかない。 楽府
心生而言立 心(こころ)生(しょう)じて言(げん)立(た)つ 心が定まれば、ことばもこれに従って定まる。 文心雕竜
心往形獨留 心(こころ)往(ゆ)きて形(かたち)独(ひと)り留(とどま)る 心は行ってしまうが、身はここに留っている。 梅尭臣
掬水月在手 水(みず)を掬(き)くすれば月(つき)手(て)に在(あ)り 水をすくえば、手に月が宿る。自然妙得の意。 宇良史
水積而魚聚 水(みず)積(つ)もりて魚(うお)聚(あつま)る 水が、積もって、深くなれば、魚が集まり来る。徳が深くなるほど、人が集まること。 淮南子
獨鶴聲徹天 独鶴(どくかく)の声(こえ)天(てん)に徹(てっ)す 一羽の鶴のなく声は天にも響く。 陸顒
花落硯池香 花(はな)硯池(けんち)に落(お)ちて香(こうば)し

花が、硯池に落ちて香しい。

愈徳鄰

 


【六文字】

愛山泉樂閒曠    山泉(さんせん)を愛(あい)し閒曠(かんこう)を楽(たの)しむ  山水を愛し、のどかでゆったりとした境地を楽しむ。 張纉
日日新又日新 日日(ひび)に新(あら)たにして又(また)日(ひ)に新(あら)たなり 日々新たにする。 大学
論心不如擇術  心(こころ)を論(ろん)ずるは術(じゅつ)を択(えら)ぶに如(し)かず 心の善悪を論ずるのは、実践することを選ぶのには及ばない。 荀子
酔月宜對韻人 月(つき)に酔(よ)うは宜(よろ)しく韻人(いんじん)と対(たい)すべし 月夜に酒を飲むには、風流な人と飲むがよい。 幽夢影

 

 

 

 

上記の課題を半紙に練習していきましょう。
稽古で手本を書きますので、まずその通りに書きます。
その後、言葉の解釈、書き手の個性を尊重して書くことにチャレンジしていきましょう。

毎月月末を提出日としますが、納得がいかなかったら提出しなくて結構です。
一つの課題にしっかり向き合えますように。

 

 

 

 

D8漢書